我が国の病院経営を取り巻く環境は、超高齢社会の進展、医療技術の高度化、地域間・病院間の機能分化など、大きな変化に直面しています。
こうした中で浮き彫りとなっている課題は、地域の小規模病院の経営困難と大病院の非効率性です。
地方の小規模病院では、少子高齢化に伴う患者数の減少に加え、医師不足から診療科を維持できず、産婦人科をはじめとした不採算部門の撤退が相次いでいます。
経営基盤が弱体化する中で、地域の基礎的医療を守ることが難しくなっています。
一方の大病院は、病床過剰氾濫の弊害が指摘されています。
収益性の高い疾患に特化した過剰な病床確保は、効率性を欠きかねません。
外来医療の過剰な集中も課題です。
このような現状を踏まえ、地域の実情に合わせた病床の再編、病診・病病連携による業務分担、そしてICT等を活用したスマートホスピタル化など、病院機能の再構築が求められています。