爬虫類の動きはのろいのだ

今思い返すとその獣は夏であるにも関わらずやけに毛深かったその獣が二条から地上に向かって木の幹にへばりつくような感じで頭を下にして降りてくるどことなく爬虫類を思わせるような嫌な感じの動きだった。


そのなんだかよく分からないものはゆっくりと息に向かって歩いてきた俺がいつのまにか体が震えていることに気づいた隣を見ると弟も顔を真っ青にして体を震わせているその生き物が近づいてくるにつれても何か人の声のようなものが聞こえてきた耳を殺すとその着物が何か呟いているもうもうものもうの何だ何を言ってんだ。


俺は当初の目的を忘れここから逃げ出したくてたまらなくなった弟が一緒じゃなかったら漏らしていたかもしれないそのくらい 怒らせてしまったからじゃ守り神と言っても家に居る仏さんみたいな優しいもんじゃない