リハビリ関節の運動感覚について

“動的関節制動訓練について
◎目的
・足底にも多数のメカノレセプターが存在し、特に荷重部である踵部、中足骨、母趾には組織の粘弾
性変化や圧、歪みなどを感知する神経終末が豊富である。

このため足部は最大の感覚情報のアンテナ基地として重要な位置を占める。


・足底が受ける刺激が抗重力筋の緊張を誘発し、自動的・無意識的に立位動作を維持し、開放している。


・DYJOCトレーニングの初歩目標はこの足底部の感覚を重視し、それを維持・改善することである。


◎DYJOC訓練プログラム
①足趾・足底把握訓練
足底のメカノレセプターは地についた足が①身体の微妙な反応を床反力として受け取り、②刻々と変化する身体や地面の状況に対応している。

立位の諸動作は、この足底メカノレセプターを窓口にして最後には目的姿勢をとる身体を、足底部は再び受け止めているのである。

このことより、臥床期での下肢挙上訓練ではPTが足底部を軽く圧迫することでなかなか挙上できないものでも容易にできるようになることも多い。


臥床期はいかに足底メカノレセプターが荷重刺激・機械的刺激に飢えているかを知るべきである。


半歩前荷重位・半歩後荷重位
半歩前荷重肢位
この半歩前荷重肢位とは、人の立位動作の中で歩く、走る、飛ぶ、着地という基本動作における基本肢位である。

半歩前荷重位は、歩行の立脚初期から中期に相当する肢位である。

この肢位は階段を上るときの前脚や歩行時のスタート準備を思い浮かべるとよい。


半歩前荷重肢位では…
 ・前脚の膝:屈曲し外向きになるように
 ・股関節:軽度外転してしっかりと体重をかける
 ・体幹と後脚:斜め一直線となり、かつ前脚の下腿と体幹の向きが平行となるようにする。


 半歩後荷重肢位
 この半歩後荷重肢位は歩行の立脚中期から後期に相当する肢位である。

この肢位は階段を下りるときの後脚やジャンプ着地時に観察できる。


半歩後荷重肢位では…
 ・後脚:軽度屈曲位にて体幹と後脚を垂直位にして体重を十分に後脚にかける。


 半歩荷重肢位
半歩荷重肢位での立位姿勢は、日常動作の基本肢位のみでなく、不意な外乱が加わった場合、身体の動的な制御補償が容易で捻挫や転倒による身体の損傷を防止・最小限化するための重要な肢位でもある。



PHP 学習サイト