ヨゼフ・カイルベルトのブルックナー第8番。
ケルン放送交響楽団。
1966年の録音。
ハース版での演奏。
ORFEO
カイルベルトのブルックナーは、テルデックにBPOの6番とハンブルグの9番があり、あとN響の4番、7番がある。
8番があることは知らなかった。
9番のレコードなんか、最初の4楽章がはいっていない、というので有名だった。
私がはじめてまともなコンサートを生で聴いたのが、このカイルベルト。
そのときは、バンベルグ交響楽団であった。
当時、いまのように外国の名門オケがたくさん来る時代ではなかったので、この来日はNHKでもずいぶん熱心にとりあげていた。
ベルリンフィルにつづくドイツの名門として。
カイルベルトは、帰国してすぐにトリスタンの指揮中に亡くなってしまった。
オケ来日ラッシュは、1970年の万博からである。
そのカイルベルトのブルックナーの8番。
まずステレオ録音で音がなかなかよい。
この演奏、とてもすばらしい。
ちょっときいてみようとかけたのだが、一気に聴いてしまった。
インテンポですすみ、なかなか骨太である。
表現に無理がなく、とても自然に流れる。
純粋に音楽にひたることができる。
1,2楽章も立派であるが、とくに第3楽章は、歌に満ち溢れていて非常に感動的である。
ハース版なので、省略(?)なしに全部聴けるのもいい。
ただ、第4楽章はテンポがゆっくりめで少々リズムが重い。
悪いというわけではないが。